2007年2月24日土曜日

AUSの博士課程 

泣く子も黙るPhD。「この紋所が目に入らぬか~!」みたいな学位です。なぜ?それはですね、英語圏ではアドレス欄っていうのがありましてね(住所のことではない)、ほら、Mr とか Ms とか記入する場所。そこに「Dr」ってのがあって、学位を取るとそこにチェックが入れられるのですよ。そう、たったそれだけのことです。実は大したことありません。

オーストラリアでは博士課程というのは独立したプログラムです。Doctor of Philosophy と言います。日本では前期/後期と別れているようですが、私は日本の大学に通った経験がないので、システムがよく分かりません。こちらでは通しで最低2年、最長4年のプログラムです。コースワークは何もありません。こつこつと調査研究をし、ひたすら学位論文を書き上げます。最大10万語(300ページ)の論文が二人の学外審査官から認定されれば学位が下りて、博士号!という仕組みです。

詳しくは、私のブログ「PhD on the Gold Coast」のあちこちで語っています。

AUSでの場合は、入学してから一年以内に、Confirmation of Candidature という検定のような審査会を受けます。Defence とも呼ばれますが、アメリカなどでは最終段階でこの Defence を行うのに対し、Australia ではこの時に一回、そして最終ドラフト提出の際にもう一回、となっています。口頭試問がこの最終時にある人というのは、かなりヤバイです。通常は「校正してそれで良し」というコメントをもらい、原稿に書かれたすべての留意点の場所を校正、修正して再提出すればOKとなっています。もちろん最高の結果は「修正箇所なし」です。これはネイティヴでも殆ど取れないので心配後無用。

留学生には英語の問題が立ちはだかっています。IELTS の Writing で7.0を取っても、それは足しにはなるでしょうが、英語力の基礎がある、という程度のものにしかなりません。ネイティヴに負けずとも劣らないくらいの英語力が必要とされます。

それはなぜか。

最終原稿が出来上がった時点で、校正に出すわけですが、この校正を信用してはいけないのです。私の場合、修士論文の時にオンラインエディターに約AU$900 もの大金をはたいて校正を頼んだのですが、それでもエラーは出ます。自分の言おうとしていることが確実に繁栄されているか、自分でチェック出来る能力がなくてはならないのです。

だから、Writing の7.0よりも、Reading の7.0 がある人の方が有利。

例えばね、「Effect」と「Affect」。一字違いで大違い、な訳ですよ。スペルチェックには引っかからない。校正に出しても意味が通ればそのまんま。でも意味が全く変わってしまうのです。「Eagle eye」、まさに「タカの目」が必要になります。Reading の力がある人は、これを持っています。

学士課程の学生の課題の採点をしていても、この違いは明らかに分かります。ネイティヴでさえも、同じです。Reading の力のある人は、小論文の課題も他の課題も、高得点を取っています。どこがイチバン違うかと言うと、書いてあることを要約できる力がある、ということです。逐一日本語に訳していては追いつきません。ババッと読んでササッとまとめる。この繰り返しばっかりです。

Reading の練習は、Adacemic Module の場合は、きちんと構成された文章をとにかく速読みすること。これに尽きます。General Module の場合は、少しの文章から情報キーワードを沢山拾う練習をすること。5W1H の形式でもらった情報を再構築できれば、簡単に7.0は取れます。

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