2007年4月22日日曜日

Back to Basics

自分の英語を時々チェックすることが上達につながる。いつもはAPA(American Psychology Association)の発行しているStyle Manual 5th Edition を使うけど、それでは「英語」のチェックには足りない。というわけで今回はコレを使用。

Renton, N.E. (2004). Conpendium of good writing: A plain English guide to plain English. Milton, QLD: Wiley & Sons.

この(↑)の書き並べ順とか、イタリックとかコンマとか、そういうのはAPA Style Manual を見れば分かるけど、grammar とか、punctuation とか、この本はとてもきっちり書いてあるのでお勧めできる。オーストラリア版なので、イギリス英語とアメリカ英語の区別がはっきり書かれている(AUSではアメリカナイズがかなり深刻な問題になっている)。私のクラスの学生にもこれを読んでもらいたいと思う。

中身をちょっと紹介してみよう。

「文法的に合っているからといって、その文が必ずしもきちんとした『英語』であるとは限らない」
  • (A) The manager was present when the present was presented to Peter just before Bill came in to present his message.
  • (B) The manager was in attendance when the gift was handed to Peter just before Bill came in to deliver his message.
(A)の文章にどこも間違いは(文法的には)無い。IELTSなら5.0~5.5まではいくだろう。しかし読んでいて吐き気がする文である。対して(B)は気持ちが良い。「英語が使えているか」はこの点を試されるのである。6.0の壁はここにある。同じ単語を繰り返さない。基礎的な語彙力が必要だが、難しい単語を覚える必要は何も無い。ここにある単語は中高英語の範囲内である。
  • (A) These conditions have been fought for for more than one hundred years.
  • (B) Workers have fought for these conditions for more than one hundred years.
これも(A)に間違いはない。日本語で考えた文をそのまま英語にしようとするとこうなることが多い。途中で "for" が二度繰り返されているのが気持ち悪くなり、一つ外してしまうだろう。そうすると文法的に間違いになり、いきなり4.0くらいにレベルダウンしてしまう。そんなテクニカルな文を作るよりは、最初から(B)のようにシンプルに文を構成する練習をすることだ。これは中学で習う構文そのものである。

私のように博士課程でとか学術雑誌で論文を書いている者にとっても、難しい単語を覚えて使おうとすることにはリスクが生じる。そして大抵は失敗する。試したいなら、失敗しても良い場所で試すべきだ。試験本番で試す人は余程の自信があるか、落ちても良いと思っている人だ。

今回も、かなりの文章が修正され、原稿は赤字だらけになった。殆どが中高生で習った構文に置き換えられ、カッコイイと思って使った単語はことごとく抹殺されていた。上の二つの例文を見れば、その真意は明らかである。

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